［創造未来都市］無名アノニマスによるイノベーション

無名・無印のアノニマスによる

イノベーションを実現する。

I. State of the Global Environment and Key Challenges

II. Becoming a Leading Environmental Nation for a Better World

III. Eight Strategies to Be Implemented as Priorities in the Next One to Two Years

ArTU

KADAMO

reD HOUSE Gallery

大阪５区は空から見て美しいヨーロッパモデルの都市計画を目指している。しかし、その実態はコテコテで猥雑なエンターテインメントだ。カダモ地区の目指す、アノニマスな都市のイメージは、何万匹もの群れでつくる球形群の自然の神秘「イワシ玉」だ。懸命に生きる姿こそがアートである。日本の都市は、ヨーロッパ都市のように市壁に囲まれ、明確な都市構造を持っていません。それが日本の都市の弱さでもあるといわれたし、魅力のなさでもあるともいわれてきました。ヨーロッパのようなインパクトのある都市ができていなかったといわれています。しかし、それを逆転の発想で見ることも可能ではないか。ヨーロッパのように立派な公共空間がない、空から見て美しい都市計画がされていなかったために、日本の都市は社会的に弱い部分ができてしまうのを回避できたとところがあるのかもしれません。地理的概念を超えた多層な地域概念のリージョン・インテグレートやユナイテッド・リージョンを展開していくにも好条件が揃っている。現状をポジティブに受けとめつつ、日本の都市の再生というのを、欧米からの借り物ではなく、自分の都市から発想してみると、別のアイデアが生まれるのではないだろうか。

りっぱな広場がないのが日本の都市の優位性

地域の公共空間としての創造住居（ホームエレクトロニクスカフェ）

では、どうやって公共空間をつくっていくのか。一般的には建て込んでいる稠密な市街地の中で、クオリティの低い建物を壊しまして、そこに小さな広場をつくる。その近所のカフェにテラス席を出してもらう。そうすると、ここに人の集まりができる。建物を新しくつくるのではなく、逆に既存建物を引き算して公共空間を穿ち、都市を再生しようという戦略になります。いわゆる「スクラップ・アンド・ビルド」です。しかし、カダモ都市再生は「スクラップ・アンド・ラブド」。「改修して生かせる既存建物は活用する」。これが疲弊地区再生を支えている考え方です。広場のために建物を壊すという発想ではなく、老巧化した建物を大手ゼネコンに委ねるのではなく、自らのハンドメイドによるリノベーションやコンバージョンによりパブリックな創造住居にアップサイクルすることが、都市再生になり、雇用や産業につながることになります。

日本は、立派な広場がないとか、ヨーロッパのような大通りがないというコンプレックスがあります。せっかくこれだけ都市再生で多くのお金が投入されているのに、ヨーロッパに先んじるような、ヨーロッパの手本となるような都市再生を実現できるところにいるのに、都市再生の本質から関心が逸れてしまい、十分に生かされていません。非常にもったいない話です。

（１）都市・地域が直面している現状と課題

新たな価値を創造する持続可能な経済社会を実現するためには、環境、社会、経済という３つの側面（トリプルボトムライン）に留意することが肝要である。３つのうちどれか１つでも欠ければ、持続可能な経済社会には成り得ない。創造される価値は、住民、働き手、訪問者等にとって長期にわたって魅力的であると感じることができる内容を有するものでなければならない。それが、事業者・産業にとってもプロジェクト参加へのインセンティブとなっていく。つまり、カダモ地区構想は、単に都市を作ることを目指すものではなく、そこに住まう人・集う人に着目し、自律的に発展することができる持続可能な社会経済システムのための価値創造システムの構築により、生活の質が向上し住む人の意識が活性化した未来の都市像を示すことを目指すものである。

カダモ地区の「ミニチュア地球都市」構想は、地理的概念を超えた新しい「リージョン」という生活基盤や産業・経済・社会基盤を支えるURL（ユナイテッド・リージョン・レイヤー）に着目した施策であることから、グリーン・イノベーションのみならず、ライフ・イノベーション等の他の戦略分野も含め分野横断的な観点から総合的に進めていくことが重要である。

カダモリージョンは、国内外に普及展開することにより、新たな経済的需要や雇用を創出する。また、人口減少社会、超高齢化社会、地球温暖化への対応といったパラダイムシフトを必要とし、かつ世界共通の課題を解決するためには、社会経済システムイノベーションが必要であることから、本構想では、その実践の場を作り出すことで、課題の解決力の強化を促し、都市・地域の活性化、我が国全体の経済社会の発展の実現に貢献する。

「ミニチュア地球都市」構想で

世界に類のないジャパンモデルを創出する。

カダモ地区の創造住居は、国内外に普及展開することにより、新たな経済的需要や雇用を創出する。また、人口減少社会、超高齢化社会、地球温暖化への対応といったパラダイムシフトを必要とし、かつ世界共通の課題を解決するためには、社会経済システムイノベーションが必要であることから、本構想では、その実践の場を作り出すことで、課題の解決力の強化を促し、都市・地域の活性化、我が国全体の経済社会の発展の実現に貢献する。創造住居とは、技術、社会経済システム等の進展に加え、それらによって変革される人々のライフスタイルや生活全般に対する満足度といった、波及的に生み出されるより高次な価値の創造も含むものでなければならい。