スクラップ・アンド・ラブド、
アートが街中に息づく、カダモ地区。
カダモの都市再生の理念は「スクラップ・アンド・ラブド」。「改修して生かせる、既存建物は活用する」。そして、その開発は大手ゼネコンに委ねるのではなく、自らのハンドメイドによるリノベーションやコンバージョンによる都市再生が雇用や産業再生につながることになります。
カダモ地区におけるアート・カウンシルは、柳宗理の提唱した工業美ー「アノニマスデザイン」という理想の実現にあります。カダモ地区は、ポストシリコンバレイのスタートアップ地区としてだけではなく、観光資源としも世界中のアートファンのための、アートインキュベーター地区としてその機能を果たします。カダモの「創造住居」は、老朽化した文化住宅などを、リノベーションやコンバージョンを行います。住居機能に加えて、アートギャラリー、ワークショップやエデュケーション、コミュニティカフェ、旅行者や留学生のためのステイなどのタイプがあり、「創造住居」を中心とした集合体としてのアッセンブリーがゲマインシャフト=基礎自治体としてのコミューン機能を担います。また、子供の頃より「環境」「アート」「メカ」触れて育った子供達は、アートなニューパワーとしてアートな部品、アートな工業、アートな都市の創り手となります。カダモ地区は日本だけでなく世界のアートシーンを揺さぶるとてつもない大きなポテンシャルを持つ「ユナイテッド・リージョン」なのです。
創造住居のコンセプトは、茶室の簡素な美学です。
ル・コルビュジエの終の棲家となった、カプ・マルタンの休暇小屋は、わたしにはほとんど茶室にみえる。シャルロット・ペリアンの場合もそうだが、ル・コルビュジエの建築の前衛の部分は、どこか茶室の簡素さに通じるように感じて、そのことが、ル・コルビュジエが日本でうける理由であるのかも。
茶の栄えた時代は、日本の美が洗練されていた時代でもあるが、また、美観が世界に開かれていた時代でもあったことは思ってみてもよいのではないか。私たちがきわめて日本的だと思う茶の美は、世界に背を向けず、その美学で世界を問い直す勇気があった。
高齢者起業とインキュベーター機能を持つ
パラレルな市場ーポスト・マーケットを目指します。
創造住居プロジェクトの活動は高齢者・障がい者たちが主体となり、日本が誇る家電・環境技術とアーツアンドクラフツのコラボレーションによる世界中の疲弊地区のサスティナブルな再生をノウハウと人材で世界をリードしていくことを目的としています。まずは、モデル住居をご見学ください。身の回りの不用品や廃材を利用したローコストの起業提案です。創造住居プロジェクトでは起業登録や説明・サポートに関しての費用も不要。フリープログラムによる高齢者起業のインキュベーション機能を果たします。全国各地の疲弊地区において、意欲と発想にあふれた創造高齢者が、老いても支える側として社会参加できることを喜びに感じるビジネススタイルとそれを支えるボランタリー経済の市場スキームの共創を目指します。今までの雇用政策の成功事例においては、数百人、数千人規模とされていたものを、創造住居プロジェクトは全国の疲弊地区において、大小様々なアイデアによる創造住居の100万人規模の起業による雇用の実現を目指します。そして、HECPは国内にとどまらず、先進国における高齢化問題や環境問題を包括的に解決する都市再生のジャパンモデルとして、世界に向けて日本のプレゼンスを高めるもうひとつの国家戦略としての機能を果たします。