『一般的な日本人が考えるパブリックとは、先にそのような空間が公共機関によってつくられていて、人々はそこに行くと公共的なふるまいをしなければいけないという漠然としたものではないか。シェア型のサービスでは、個人個人がオープンにすることによって各自のもつ価値にアクセスができる。そして、そこからパブリック空間が生まれる」という。例えば、自分の車を通勤時に誰かと乗り合わせるマッチングサービスであるrideshare(ライド・シェア)は、自分一人だけで運転しているとき車内はプライベートな空間だが、マッチング・サービスで他人が乗ってくれば、その空間はパブリックになる。つまり、「パブリックとプライベートは対立する要素ではなく、何をプライベートにして何をオープンにし、パブリックにするかということを個人が自分自身で選んでいく自己決定性」だという。自らの部屋をオープンにしてシェアすることで世界中に宿泊先を提供するAirbnb(エア・ビー&ビー)や、アマチュアの料理愛好家が手料理を地域の人とシェアするCookistoといったさまざまなシェアリングサービスは、「個人個人がいろんなリソースをパブリック化し、シェアすることで、みんなにとってのメリットや価値、経済、市場が生まれてくる」のだ。』